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日記×続大和撫子(27)

今回も「粉河寺縁起絵巻」に登場する長者の娘を紹介する。

帰ろうとする恩人の小童を泣き落としと土下座で引き止めるは、住所をきき出すは、恋する乙女の情熱を発揮する長者の娘は、長者が小童のいる粉河へ旅立つと言うと、しっかりと同行する。

彼女の密かな目的は、小童を夫として家に連れ帰ることだ。

いちおう長者の娘でお姫様階級なのに、とても積極的だ。

平安時代のお姫様達が、両親の決めた夫を家で待っていたことを考えると、長者の娘は鎌倉時代らしい姫だ。

さて、粉河に到着すると、粗末な観音堂がある。

そこに安置されている千手観音像の手には、長者の娘が小童に贈った紅の袴と小刀が下がっていた。

長者の娘は、小童の正体が千手観音と知るや、これぞ御仏のお導きということで、居合わせた僧侶に頼んで、その場で出家。

千手観音像を祀るために寺を建てさせた。

つまり、尼僧になることで、千手観音の化身だった小童への恋を成就させたのだ。

何とも激しい恋愛だが、よく考えたら鎌倉時代には北条政子のような情熱的な恋愛を実行した人物が実在する。

だから、鎌倉時代の女性の一タイプと考えるのも悪くない。

他にも長者の娘について考察したいことがあるので、続く。